区分マンション投資を始めた頃は、“家賃収入が入ってくる安心感” があったはずです。
それがいつの間にか、空室が続いたり、修繕積立金の値上げ通知が届いたり、金利上昇のニュースが気になったりと、じわじわ不安が積み上がってきた——そんな方は、決して少なくありません。
“売却” という言葉が頭をよぎりながらも、「今が本当に売り時なのか?」「売ったら損しないか?」と踏み出せずにいる方も多いはずです。
投資用区分マンションの出口戦略は、購入や保有の判断とは異なる知識と視点が求められます。また、売却のタイミング一つで手元に残る金額が大きく変わることもあり、「なんとなく売った」ではあとから後悔することもあるでしょう。
私は、不動産売却・賃貸経営・資産運用コンサルティングをワンストップで提供するSREM(スリム)の大澤と申します。東京都港区赤坂を拠点に、長年にわたって多くのオーナー様の区分マンション投資に向き合ってきました。
この記事では、その経験と現場感覚をもとに、今売るか・待つかの判断の目安から、損せず売却するための注意点まで、順を追って解説していきます。
「この記事を読んで、前に進めた!」と思っていただけたなら、とても嬉しいです。
もくじ
Toggle投資用区分マンションはいつ売却すべき?判断の目安

投資用区分マンションを売却すべきかどうかは、感覚ではなく “数字と状況” で判断するのが基本です。
今の収益状況と今後の見通しを冷静に整理することが、後悔しない出口戦略につながります。あなたの投資マンションは、今どちらの状況に近いでしょうか?
収益の改善見込みが立たないなら、売却を出口戦略に考える
キャッシュフローが長期にわたってマイナスになっている、または今後も回復の見込みが薄い場合は、売却を真剣に検討した方がいいサインです。
具体的には、次のような状況が重なっているケースが当てはまります。
- 空室が4〜5カ月以上続いている、あるいは短期間で入退去が繰り返されている
- 周辺エリアの家賃相場が下落傾向にあり、入居者を確保するために家賃を下げざるを得ない
- 大規模修繕を控えて管理費・修繕積立金が値上がりし、毎月の収支が悪化している
- 変動金利型ローンを利用していて、金利上昇で返済額が増え、手残りが右肩下がりになっている
※ただし、東京・大阪など都心の場合は3カ月で長期空室
2つ、3つとこれらが複合的に重なると、毎月じわじわとマイナスが積み上がっていきます。
「いつか入居者が入るだろう」「金利がまた下がれば大丈夫」という期待だけで保有を続けるのは、大きなリスクです。空室が長引くほど、また不動産は古くなるほど、売却価格は下がりやすくなるため、早期の判断が求められます。
勇気をもってタイミングよく損失を確定させることが、長期保有による損失拡大を防ぐ手段になることは、投資の世界ではよく知られた考え方です。もしキャッシュフローが改善するシナリオが具体的に描けないなら、売却という選択肢を前向きに考える価値があるでしょう。
この機会に、うまくいかない原因や今後の対策を整理したい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
安定した収益が続いているなら、保有と売却を十分に比較する
一方で、保有を軸に十分に比較した方がいいケースもあります。判断の入口として、次の状況に当てはまるかどうかを確認してみてください。
| 状況 | 保有継続が有利になる理由 |
|---|---|
| 入居者が安定していてキャッシュフローがプラス | 毎月の家賃収入が資産形成に貢献し続けるため |
| 取得から間もない(おおむね5年以内) | 売却益に対する税負担が重くなる可能性があるため |
また、ローン残債が売却価格を上回る “オーバーローン” の状態では、売却しても手元に資金が残らないどころか、差額を自己負担しなければならない場合もあります。
こうした場合は、マンション価値の改善見込みの有無を不動産会社に相談しながら、売却のタイミングを慎重に見極めることが重要です。賃貸経営を続けるか売却するかで迷っている方は、下記の記事も参考になります。
※譲渡所得に係る税率は、売却した年の1月1日時点での所有期間が5年以下か5年超かによって変わります。5年以下の「短期譲渡所得」は税率約39.63%(所得税30%・住民税9%・復興特別所得税0.63%)、5年超の「長期譲渡所得」は税率約20.315%(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)と大きな差があります。
以上、投資用区分マンションの売却判断をする基本的な目安を解説しました。
私たちSREMでは、売却か保有かを一緒に整理するところからご相談いただけますので、お気軽にお声がけください。
投資用区分マンションの売却価格は何で決まる?

投資用区分マンションの売却価格は、主に「収益をどれだけ生み出せるか?」という視点で査定されます。
居住用マンションとは査定の軸がそもそも異なるため、「立地もいいし築年数も浅いのに、思ったより低い査定額だった…」と戸惑う方も少なくありません。
事前に価格の決まり方を理解しておくと、売却計画の精度がぐっと上がるでしょう。
居住用と違う「収益還元法」が査定の軸になる
投資用区分マンションの査定では、“収益還元法” が中心的な手法として使われることが多いです。これは、その不動産が将来どれだけの収益を生み出せるかをもとに価格を算出する方法で、考え方はシンプルです。
年間純収益(家賃収入-諸経費) ÷ 還元利回り = 物件価格
たとえば年間純収益が60万円で、還元利回りが6%なら、物件価格は1,000万円という計算になります。純収益が高いほど、また還元利回りが低いエリアほど、価格は高く算出されます。
実務では、収益還元法と取引事例比較法を組み合わせながら査定されることも多く、エリアや物件の状況によってウエートは変わります。「この区分マンションは買い手にとってどれだけ稼げるか」が価格の根拠になる点は、居住用とは大きく異なります。
※還元利回り:投資家が不動産に対して期待する収益率のこと。エリアや物件の築年数・需給状況などによって異なる。
※取引事例比較法:対象物件と条件が近い過去の売買事例を複数集め、立地・築年数・広さなどの違いを補正しながら価格を算出する手法。居住用マンションの査定でも広く用いられる。
マンションの査定額を左右する主な要因は?
不動産会社が査定時に確認する主なポイントは複数あります。参考に、それぞれが「どう価格に影響するか?」を整理しておきましょう。
| 査定のポイント | 価格への影響 |
|---|---|
| 築年数 | 古いほど設備などの老朽化リスクが高まり、評価が下がりやすい |
| 立地・最寄り駅からの距離 | 駅近・利便性の高いエリアほど入居需要が安定し、評価が上がりやすい |
| 入居状況(空室か入居中か) | 入居中のほうが現在の収益が確認でき、買い手にとって安心感がある |
| 家賃水準・表面利回り | 周辺相場と比べて家賃が高いと収益力の評価が上がりやすい |
| 管理状態・修繕履歴 | 適切に管理・修繕されているマンションは長期収益を期待でき、評価が安定しやすい |
※表中の査定ポイントは一部です。
これらは組み合わさって総合評価されます。どれか一つが弱くても、他の要因でカバーできるケースもあるため、あなたの区分マンションがどの項目で強みを持っているかを把握しておくことが大切です。
空室か入居中かで査定額が大きく変わるの?
「入居者がいる状態で売るのと、空室で売るのは、どちらが得なのか?」これは多くのオーナー様が気になるポイントではないでしょうか。結論からいうと、どちらが有利かは状況によって異なります。
入居中のオーナーチェンジ物件は、買い手がすぐに家賃収入を得られるため、安定した収益を求める投資家から注目を集めやすいです。家賃水準が周辺相場と同等かそれ以上で、利回りがしっかり確保できているマンションは、収益力の高い物件として評価されやすいでしょう。
一方で注意が必要なのが、家賃が相場より低い入居者がいるケースです。
たとえば、10年以上同じ入居者が住んでいて、現在の家賃が周辺相場より低い場合、買い手は「収益改善に時間がかかる」と判断し、価格交渉を求めてくることがあります。
また、投資目的ではなく自分で住みたい実需の買い手を狙う場合は、空室のほうがスムーズに売却できるケースもあるでしょう。
「入居中だから有利」「空室だから不利」とは一概にいえません。誰に・どう売るかによって適した売り方は変わるため、あなたのマンションの状況や市場環境を把握した上で計画を立てることが重要です。
以上、投資用区分マンションの売却価格を決める主な要因を解説しました。価格の決まり方を把握したところで、次は実際の売却で損をしないための注意点を確認していきましょう。
投資用区分マンションを損せず売却するための注意点

実際に、投資用区分マンションの売却を進めるときは、査定額以外にも知っておくべきポイントが複数あります。
中でも、「査定額が高い不動産会社に任せれば大丈夫」と思い込んで動く方が、売却で損をするケースは少なくありません。
注意点① 査定額だけで不動産会社を選ぶと失敗しやすい
査定額はあくまで “売り出し価格の目安(売却予想価格)” です。高い査定額を出しておきながら、なかなか買い手がつかず、結局値下げを繰り返すケースは実際に多いです。
不動産会社を選ぶときは、査定額と合わせて次の点も確認しましょう。
- 投資用区分マンションの売却実績が豊富か
→ 居住用専門の会社では収益物件の買い手へのアプローチが弱いことがある - 査定額の根拠を収益還元法ベースで説明してくれるか
→ 感覚的な査定額は値下げ交渉の温床になりやすく、根拠のある価格設定が売却成功のカギになる - 媒介契約の種類を中立に説明してくれるか
自社に有利な契約形態を押し付けてくる会社は、オーナー様の利益よりも自社の都合を優先している可能性がある - 売却活動中の報告内容が具体的か
→「問い合わせ件数・内見数」などを数字で、かつ具体的に共有してくれる会社は、販売活動の透明性が高い - 税務・費用面も含めてサポートしてくれるか
→ 売却後の手残り額まで細かく試算し、状況によって専門家の紹介もしてくれる会社なら、出口戦略全体を安心して任せやすい
くれぐれも査定額の高さだけで飛びつかず、「この会社なら頼りになる!」と心から思える担当者・会社かどうかを見極めることが、マンション売却成功の第一歩です。
念のためですが、売却が初めての方へ。「査定額=手取り額」ではありません。
売却時には、仲介手数料、登記費用(抵当権抹消等)、ローン繰り上げ返済手数料、譲渡所得税など、複数のコストが発生します。
事前に試算しておかないと、「手残りが思ったより少なくてびっくり…」ということになりかねません。“売れたらいくら残るか” を事前にシミュレーションしておくことが、後悔しない売却につながります。
注意点② 譲渡所得税は売却時期によって負担が変わる
先に触れた譲渡所得税は、売却益(譲渡所得)が出た場合にかかります。売却した年の1月1日時点での所有期間によって税率が以下のように異なります。
| 区分 | 所有期間(1月1日時点) | 税率 |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 約39.63% |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 約20.315% |
※税率は、所得税・住民税・復興特別所得税の合計
売却益が500万円あったとすると、短期なら約198万円、長期なら約102万円の税負担となり、その差は約96万円にのぼります。売り急ぎで短期譲渡になってしまうと、税負担がおよそ2倍近くになることもあるため、売却時期は慎重に検討することが大切です。
また、譲渡所得税の計算では「取得費」や「譲渡費用」を売却益から差し引けます。売買契約書や各種領収書はしっかり保管しておきましょう。
※取得費:マンションの購入価格に加え、購入時の仲介手数料・登記費用・印紙税・不動産取得税などの諸費用も含まれる。建物部分は減価償却費相当額を差し引いた金額が取得費となる点に注意。
※譲渡費用:売却時にかかった仲介手数料・印紙税など、売却のために直接要した費用のこと。リフォーム費用は原則として含まれない。
注意点③ ローン残債を完済できるかどうか売却前に確認する
ローンが残っている区分マンションを売却する場合、売却代金でローンを完済し、抵当権を抹消してから買い手に引き渡す流れになります。
そのため、売却活動を始める前に金融機関へ連絡し、次の点を確認しておきましょう。
- 現在のローン残債額(売却価格で残債を完済できるかどうか)
- 繰り上げ返済にかかる手数料と手続きに要する日数
くれぐれも、売却価格がローン残債を下回るオーバーローンの状態では、差額を自己資金で補填しないと売却を完了できないため、注意しておきましょう。
以上、投資用区分マンションを損せず売却するために押さえておきたい注意点を解説しました。
当社SREMでは、売却コストや税務面も含めて一緒に整理しながら、お客様一人ひとりの状況に合った出口戦略をご提案しています。
「今の物件を売ったらどうなるか、まず数字を整理したい」という段階からでも、お気軽にご相談ください。
まとめ:区分マンションの売却は投資のプロと情報整理から

「この投資マンション、売却すべきなのかな…?」
このとき大切なのは、不安や焦りに動かされるのではなく、自分のマンションの状況を冷静に数字で把握した上で判断することです。
その一歩が、出口戦略の質を大きく変えていきます。
SREM大澤プロのアドバイス
長年、投資用区分マンションのご相談に向き合ってきた中で、私が感じていることがあります。
それは、「売って後悔した…」「持ち続けて損が膨らんだ…」という方のほとんどが、判断の前に自分の不動産の “現在地” をきちんと把握できていなかったということです。
出口戦略で最初にすべきことは、難しい判断ではありません。次の4つを紙に書き出してみてください。
- 毎月のキャッシュフロー(家賃収入-ローン返済-管理費・修繕積立金)
- 現在のローン残債
- 周辺の売却事例から見た売却想定価格
- 売却した場合の譲渡所得税の概算(取得価格・取得年・所有期間を確認)
この4つが並んだとき、「今売るべきかどうか?」が少しずつクリアに見えてきます。
あなただけで整理しきれない部分は、不動産会社や税理士に遠慮なく聞いて大丈夫です。情報を持つ専門家と一緒に考えることで、判断の精度はぐっと上がります。
売却に迷ったら、SREMの無料相談で数字を整理しませんか?
「まだ売ると決めたわけじゃないけど、今の状況を一度整理したい」——そんな段階でのご相談が、実は一番価値があります。
私たちSREMでは、不動産の売却・賃貸管理・購入・賃貸仲介をワンストップで手がけており、専属担当者が最初から最後まで一貫してサポートします。
売却ありきで話を進めることはせず、お客様の状況に合った選択肢を一緒に整理することを大切にしています。初回のご相談は無料で、来社・オンラインどちらでも対応可能です。
また、私・大澤が運営するYouTubeチャンネルでは、東京の街を実際に歩きながら、街の魅力や歴史を不動産会社の目線でお伝えしています。「この街の需要って、実際どうなんだろう?」と肌感覚で知りたい方に、ぜひ一度ご覧いただきたい内容です!
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つづいて、代表・菅原のYouTubeチャンネルでは、「不動産で人生を豊かにする」をテーマに、現場での気づきや投資家としての視点をリアルに発信しています。区分マンション投資のヒントも詰まっているので、こちらもあわせてチェックしてみてくださいね!
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